気持ちの切り替えの話
皆様こんにちは。
あきる野市にあります生活介護笑スリーの佐藤です。
今回は気持ちの切り替えについてあれこれお話をしていきたいと思います。
気持ちの切り替え方法あれこれ
皆様、気分転換はどのようにされていますか?
GoogleAIによると
適度な運動をする
散歩をする
好きな香りを嗅ぐ
音楽を聴く
ゆっくりと湯船につかる
深呼吸をする
紙に気持ちを書き出す
親しい人と過ごす
好きな映画や番組を見る
おいしいものを食べに出かける
こんな回答を得ることができました。
個人差はあるでしょうが心が落ち着くとか嬉しいと感じる事柄が多いようですね。
私が個人的に効果的だなと思う気分転換の方法は『現実逃避』です。
現実逃避というとネガティブな印象があるかもしれませんが、そんなことはございません。
例えば映画や小説、漫画などの創作物の世界観に浸ることも現実逃避。
ゲームに夢中になることも現実逃避。
音楽を聴いて音の世界に浸ることも現実逃避ととることができます。
つまり、一時的に置かれている現実と距離を置き、気持ちをリセットした上でポジティブな捉え方ができるようになるための準備をするのです。
アンディも音楽は奪えないと言っています。
「音楽を聴いてた 頭の中でさ 心でも 音楽は決して人から奪えない そう思わないか?」
「ショーシャンクの空に」より
彼はつらい苦境の中で誰にも侵害されない心の中で音楽からの癒しを得ていたんでしょうね。
ただし、アンディのような聡明さや行動力は得難いものです。
気分をリセットした上でだめなものはだめなのでそんな時はマイメロ理論で苦難を乗り越えましょう。
マイメロ理論とは
「ふりかかってくる災難や、どうしようもない理不尽を1つひとつ自主的に受け止めるには人生は長すぎる」とし、そのための❝逃避術❞として
「そんなときは『私はマイメロだよ~☆難しいことはよくわかんなしイチゴ食べたいでーす』って思えば、たいていのことはどうでもよくなる」
By宇垣美里
転じて障碍者支援では
当法人の生活介護部門では重度知的障害でASD診断を受けているご利用者を数多く受け入れています。
そういったご利用者は通所し始めで安定しない時期や、調子の波が悪い時には不穏になることがよくあります。
そういった場合、ご本人や周囲の人の安全のためにいち早く落ち着いてもらえるように対応をしようとしますが、なかなかうまくいきません。
静かで周りに人がいないところで過ごしてもらって落ち着くのを待つケースが多いです。
しかし、前述のような気分の切り替え方法に照らし合わせると少し消極的な感じがしますね。
本来、気分の切り替えを促すためには他の何かに取り組んでいただいた方が効果的なのかもしれない・・・
そんな思いがある中、先日受けた研修で非常にタメになる話を聞くことができました。
切り替えとなる活動を日常的に練習する
とある研修で聞いた話です。
「カームダウン(クールダウン)というとご利用者が不穏になったら、静かで人がいない場所に移動してもらって落ち着くのを待つという対応をとる支援者が多いけど、カームダウンにはもっと積極的な意味合いがある。
それは、その場所に行って落ち着くための活動を学ぶ場所という意味。
例えばカームダウン場所を用意したら普段からそこに行って、決められたルーティンとして深呼吸をして感覚物品を使って軽運動を何度かして出てくる。普段からルーティンとして組み込み自閉症の強みを活かしながら、落ち着くための方法を教えていく。そして、発展としては今度は普段過ごしている場所でも、気持ちが昂った時に落ち着くための行動が取れるようになる。
間違った使い方では不穏になったらその場所に押し込むような使い方をしてしまうが、本来こういった意味合いがあることを覚えておいてください。」
ということでした。
なるほど。
このように考えると冒頭に書いたような気分転換方法と近いですし、これまで私が考えていたようなカームダウンからかなり発展した支援方法です。
深呼吸をすることで副交感神経が優位になりリラックスできることは有名な話ですし、体へ良い影響を与える行動や活動を取り入れていくのは有効かもしれません。
なにか落ち着くための方法、自分流を磨いて実践に備えていただくということですね。
宇多田ヒカルも
「緊張と高揚している時の状態は似ていて、緊張していると思った時には自分で自分に『自分は、ワクワクしている!』と言い聞かせると緊張している状態から高揚している状態に変化させることができる。高揚感に切り替えることで高い集中力を発揮して良いパフォーマンスを発揮できるきっかけになる」
と言っていました。
気持ちの切り替えという意味では同じような意味合いに思えます。
千里の道も一歩から
気持ちの切り替え、カームダウンを促す方法はなんとなく理解出来ましたがまだまだ実践で成功はしていません。
ご利用者それぞれでカームダウンがしやすい方法やカームダウン方法を学べる状態なのかは異なってきます。
知識が先行してしまえば目の前のご利用者を見ずに、支援の組み立てをしてしまうことに繋がりかねません。
そのあたりを意識して、おひとりお一人に対して実践を重ねてより良い支援に繋げていけると良いです。
吉田松陰を見習って日々精進します。
現場からは以上です。