子育てから考える失敗経験の恐怖
皆様、こんにちは。
あきる野市にあります生活介護笑スリーの佐藤です。
前回の記事で我が家でマイコプラズマが大流行したことをお伝えしましたが、今回はそれにまつわるエピソードを紹介したいと思います。
9月の下旬、我が家ではマイコプラズマが大流行しました。
息子ちゃん(4歳)を皮切りに娘ちゃん(6歳)、妻(36歳)と順番に病に伏していきました。
そんな中でもっとも看病に苦労した息子ちゃんの話を取り上げたいと思います。
抗生剤、それは苦い
マイコプラズマの治療には抗生剤の内服が効果的と言われています。
息子ちゃん(4歳)は生まれつき気管支が弱めで少し体調を崩すと咳が止まらなくなる体質で、その影響で咳止の薬を良く飲むことがありました。
そのため、服薬は慣れっこでしたので抗生剤もスムーズに飲んでくれるかなーと思っていました。
しかし・・・
いつものようにゼリーに抗生剤を混ぜて1口与えた瞬間、泣き叫びそれ以上服薬を強く拒否してしまいました…。
抗生剤って苦いんですよね。
種類にもよりますがものによっては大人でも飲みにくい苦さを感じるんです。
しかし、息子ちゃんは39℃前後の高熱が連日続いており食欲もあまりないような状態。
抗生剤の効果で症状の改善が望めるので、親としてはなんとしても飲んでいただきたいところです。
そして、私の妻は人一倍子供思いのところがあるのですが、良くも悪くも子供のことになると思い詰めてしまうところがあり「抗生剤を飲ませなくてはいけない」となってしまっています。※(怒ると怖いですが普段はとても良い妻です)
ここに『絶対に薬を飲みたくない息子ちゃん』VS『絶対に薬を飲ませたい妻』の図式が出来上がり、血で血を洗う戦いが始まりました。
\テーレッテレー/
現代では薬を飲みたがらない子供のために服薬ゼリー等のグッズが販売されています。
色々と試す中で「これや!これしかない!!」というアイテムを見つけました。
ねるねるねるねは・・・ヒッヒッヒ・・・ ねればねるほど色が変わって
皆様ご存じ、ねるねるねるねの服薬バージョンが販売されているではありませんか。
子供心をくすぐる銘菓ねるねるねるね。
こいつの力を借りればどんな薬も怖くないはず・・!!
ねるねるねねを練り込む魔女も味方になってくれている気がします。
さぁいざ尋常に勝負!!
・・・・。
だめでした。
薬を混ぜた状態で試食をしてみましたが、まったく苦みは感じません。
はぁ、苦くないのになんで飲んでくれないんだろうか。
トラウマ的な拭えない恐怖心
薬を飲んでくれない息子ちゃん。
彼の立場に立って考えてみます。
彼にとっては『薬=苦くてまずいもの、薬を飲んだからといって病気が治るとは理解ができない』といった認識があるのでしょう。
彼にしてみれば苦い薬を飲まされたことがトラウマ経験となっていることに大きな要因となっている気がします。
さらに「トラウマがある上にその行動を取ることで本人にとって良いことがあることがわからない=嫌な思いを我慢してまで実行するモチベーションがない」
という風に考えられます。
嫌なことを無理強いされることで更に受け入れにくい状況になっていることも考えられます。
んーなるほど。
大人にしてみれば薬を飲まないと治らないと思っているので、ついつい薬を飲むことを強要してしまいますがそれが理解できない子供としては受け入れ難いんですね。
整理してみるとまぁそうなるよなーといった感じです。
結果的に抗生剤を飲むことはできませんでしたが、幸いマイコプラズマは弱めの菌なので必ずしも抗生剤を内服しなくても治る病気でしたので、時間がかかりましたが少しずつ回復していきました。
失敗経験をできるだけ積ませない
今回の出来事から得た教訓があります。
それは不必要な失敗経験はできるだけ積ませないということです。
避けようがないこともありますが、一度の失敗がその後に影響することはあるように思います。
対策としては子供の立場に立って行動しやすいような環境を用意する、理解を示す、できたことには褒める等の配慮をする等でしょうか。
まぁ日々の生活の中でこういったことを常日頃からしていくことはなかなか難しいことですが…。
かといっても失敗をさせないようにして過保護になるのも良くないような、失敗してから得る経験もあるような、様々な思いもありますがバランスが大事なんでしょうね。
こういった考え方は障害者支援にも通ずるところがあるという気付きもありました。
支援をしていく中で無意識に支援者目線の考え方を押し付けてしまうことがあります。
そうすることで支援が上手くいかないことやご利用者に不安な思いをさせてしまったような失敗をしたこともあります。
そうした不適切な支援をしていかないためにも、ご利用者の立場に立ちながらも客観性を持つようにしていかなければいけませんね。
そんな自戒を刻んだ佐藤家での出来事でした。
最後に全国の子育て世帯の皆様、毎日ご苦労様です。
普通の毎日に人知れない子育ての苦悩があることお察しいたします。
一緒にがんばりましょう。
それでは皆様ごきげんよう。