未経験から障碍者福祉の現場へ 「根拠のある支援」に取り組む生活介護事業所 笑(えみ)スリー
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はじめに
こんにちは!
東京都あきる野市にあります、生活介護笑スリーの本間です。
残暑厳しい今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
勝手ながら少々自己紹介を。
実は私、この春まで大学院で西洋史の研究をしており、全くの未経験でこの世界に飛び込みました。
求人にご興味のある方にとっては、未経験でもやっていけるのだろうかと思い不安な方もいらっしゃるかと思います。
今回は、そんな皆様に「根拠のある支援」をキーワードとして、未経験の私がどのように支援に携わっているかについてお伝えできればと思います。
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生活介護「笑(えみ)スリー」
笑スリーは、あきる野市小川にある生活介護の事業所となります。
昨年新規オープンしたばかりのピカピカの事業所です。
2階建てで、各階20名定員を想定しています。
重度の(知的・精神)障害をもつ方を対象に、日中活動の場として、対となるグループホームのサード八王子と連携して支援に取り組んでいます。
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「根拠のある支援」
そんな笑スリーで提供する支援では、根拠や目的、方法を言語化して共有する「根拠のある支援」が行われています。
根拠を持って支援に取り組むには、ご利用者様のどういった特性を根拠に、何を目的として、どのようにアプローチするのかを言語化しなければなりません。
また、職員全体で同様の支援を提供することができるよう共有する必要があります。
この言語化と共有によって、個人のスキルに依存しない画一的な支援を提供することができるようになります。
支援の根拠となる、ご利用者様お一人ずつの特性や傾向を把握する作業を「アセスメント」といいます。
アセスメントをもとにして得た情報から仮説を立て、それを根拠に目的と手段を共有して支援に取り組むといった一連の流れについては、ぜひこちらの記事もご参照ください。
ご利用者様の中には、手順など様々な繰り返しを覚えることに強みがあり、細部に集中して違いを見つけることのできる方も多くいらっしゃいます。
こうした側面は強みでもあり、一方で、職員ごとに対応が異なるとそこにストレスや疑問を抱えて混乱してしまうこともあります。
根拠を明確にして画一的な支援を提供することが、ご利用者様にとっても、安心して、混乱なく過ごすことができる環境へとつながるのです。
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未経験から障碍者福祉の現場で働いて
未経験から、重度の知的・精神障碍者の方にサービスを提供する現場で働くことには大きな混乱もありました。
例えば、職員がほとんど声を出すことなく、絵カードや指差しなどで利用者様とコミュニケーションをとっているのです。
語彙の多寡はあったとしても、音が聞こえるのであれば声でコミュニケーションをとりたくなる場面も多いと思います。
しかし、笑スリーで受け入れている自閉症スペクトラム障害をお持ちの方は、視覚に強みを持つことが多い傾向にあります。
そのため、その強みを生かして視覚的に提示することで、ご利用者様にとって負荷が少なく、誤解も少ないコミュニケーションがとれるということなのです。
一方で、視覚的に提示されるコミュニケーションに慣れていない方には、視覚的に提示しつつ声掛けを併用することもあります。
「特性」や「傾向」でなんでも画一化するのではなく、何事も個別に対応することが重要になります。
このように書くと、とても専門的で複雑なことをしているように思われるかもしれません。
ご利用者様の人生の一部をお預かりする以上、実際に専門的な知識やスキルが求められることは間違いありません。
しかし、SHIPでは、充実の研修と、風通しの良い職場環境、資格取得の支援等が用意されています。
未経験ということは、言い換えると「自分のやり方」がまだ固定化されていないということです。
そのため、SHIPのやり方を素直に吸収することができます。
もちろん、今の支援に悩んでいらっしゃる経験者の方にとっても、きっと新たな刺激となることでしょう。
SHIPでは、入職後定期的に新入職員を対象とした研修があります。
各事業所でも並行して、障害特性や支援場面ごとのマニュアル、倫理や権利擁護、虐待防止などについてじっくりと学びます。
また、毎月各事業所内で研修があり、支援スキルの向上に取り組んでいます。
支援の現場に入るときにも、先任職員によるOJTがあり、都度助言を受けながら学ぶことができます。
研修やOJTの期間はもちろん、その後もわからないことや悩みがあるときに、いつでも相談・質問することのできる環境です。
「根拠のある支援」を行っているからこそ、業務中の「なぜ」「どうして」に対して、的確な答えやアドバイスをもらうことができます。
またそうした悩みや疑問点を大事にして、よりよい支援のために皆で協力して話し合う機会が設けられています。
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おわりに
「根拠のある支援」に取り組むことは、まず第一に利用者様の生活の質向上につながります。
しかし、それだけでなく、職員の成長や支援の方向性の共有にも大いに役立ちます。
どのような根拠・目的かを説明できる支援を行っているからこそ、経験だけに頼ることなく未経験の職員が成長することができるようになっています。
自閉症スペクトラム障害をお持ちの方への支援となると、ルーティーンや決まった毎日を過ごすだけの「見守り」をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、笑スリー、ひいては社会福祉法人SHIP全体では、ご利用者様のできることを増やすために、日々新たなチャレンジを行っています。
ルーティーンを好まれる傾向はもちろんありますが、日々少しずつ変化があります。
そんなご利用者様の「できる」を増やす支援にはとてもやりがいがあります。(やりがいだけではなく、職員のワークライフバランスもしっかりとれています。詳しくはこちらの記事をどうぞ!)
常に勉強中の毎日ですが、少しでもご利用者様の長所を伸ばし、生活の幅が広がり、事業所の名前にもある笑顔が増えるよう職員一同取り組んでいます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
もし少しでも笑スリーに、社会福祉法人SHIPにご興味をもってくださった方はぜひこちらから求人情報をご覧ください。