ご利用希望の方の体験が始まりました!

 

こんにちは。東京都あきる野市にあります社会福祉法人SHIP 生活介護 笑スリー(えみすりー)の久保田です。

開所して間もない笑スリーですが、いよいよご利用希望の方々の体験受け入れを始めました。

笑スリーは主として知的に障害のある、また自閉スペクトラム症、強度行動障害のある方々の日中の生活の場です。

今回はそうした方々を対象に、どのような流れで体験頂くのか、また私たち職員がどのような事を意識して受け入れを行っているのか などをご紹介したいと思います。

 

①体験の流れ
②1日のスケジュール
③どんな方なのかな?をとことん知る
④最後に

 

①体験の流れ

まず体験の大まかな流れについてご紹介します。

ご利用希望の方の体験は、概ね5日間程度が基本となります。

場合により5日間よりも短かったり、延長となる場合もあります。

現在のお住まい(ご自宅やGH等)から毎日通って頂きますが、ご家族が送り迎えをする場合もあれば、こちらで送迎を行う事もあります。

この期間、笑スリーで作業やお散歩、食事、ドライブなど様々な活動を体験いただき、全てを終えたあとに期間中のご様子などを総合的に踏まえて、今後のご利用についてご相談となります。

5日間は長いようでもあり、あっという間でもあります。

②1日のスケジュール

では次に、1日の具体的なスケジュールの例をご紹介します

朝笑スリーへ来所→余暇課題や自立課題を提供→散歩(ドライブ)→余暇課題や自立課題→昼食→余暇課題や自立課題→散歩(ドライブ)→ご帰宅

初めはこのようなスケジュールが基本となる事が多いです。

体験の利用時間が人によって違ったり、事前に頂いた情報から追加するスケジュールがあったりと、そこは臨機応変に対応させていただきます。
あとは、体験を進めるうえでその方に合ったスケジュールを整えていくことになります。

 

上記スケジュールを本人様へお伝えする手段は、視覚提示物の提示が主となります。

 

人は情報の8割程を視覚的情報から得ているとも言われるほど、視覚に頼る傾向があります。

とりわけ自閉スペクトラム症の方は、目の前にある情報、それも細部に注目する方が多くいらっしゃいます。

そのため視覚的に注目しやすくわかりやすい、相互に誤解の少ないカードを用いて予定をお伝えするようにしています。

 

 

では、スケジュールについて簡単にご説明します。

余暇課題・自立課題

主に自席で取り組む様々な作業全般です。

色や形をマッチングさせる課題、物を適切な場所へ入れる課題、2~3工程の部品組み立て課題などの自立課題をはじめ、パズルやボール、感触を楽しむおもちゃなど余暇的要素のある余暇課題を提供する時間です。

散歩(ドライブ)

笑スリー周辺のコースや、車で大きい公園などへ行って散歩を行います。雨天時はドライブコースも用意されています。

昼食

出来立ての美味しいご飯を提供します。

沢山食べてくださいね!

ご帰宅

一日の活動が終わります。気を付けてお帰り下さいね!

この他にも、必要に応じて色々なスケジュールを追加して提供しています。

③どんな方なのかな?をとことん追求する

体験のご利用中は、笑スリーがどんなところなのかを体験者様に知っていただきます。

落ち着ける空間かな?楽しいことができるかな?ご飯が美味しいかな?…笑スリーの色々を知っていただいて、今後通いたい場所であるかを十分に考えていただきます。

一方で、私たち職員も体験者様のことを沢山知れるように、お迎えする前から全力で準備を進めます。

事前に頂いた情報を頭に入れたうえで、この方へはどのような準備をしてお迎えすれば良いかな?どんな事が想定されるかな?といった事を十分に話し合います。

 

注意しなければならないのは、変に構え過ぎないこと!準備し過ぎないこと!

 

こういう事がありそうだから事前にこうしておこう、こんな事も想定されるからこうしておこう、と、事前に何でも固めてしまっては、体験者様の本来の姿をみる機会を逸してしまう可能性があります。

安全には十分に留意しながらも、あえて必要最小限の準備(スケジュールの用意、情報をお伝えする方法、提供する課題の選定など)に留めてたうえで体験者様を待ちます。

あとは実際に笑スリーで過ごす中で、その方の好きなことや強み、そしてこちらでお手伝いするべきことを見つけていきます。

何が得意かな?どうやって学ぶのかな?写真とイラストどちらがわかりやすいかな?何が気になるのかな?どうやって意思表示するのかな?etc…

職員は色々なアンテナを広く張り巡らせて、体験者様のことを全力で知ろうと努めます。

 

 

体験者様が体験を進めていくと、事前にいただいた情報との違いに驚くことがよくあります。

それは“これが苦手、という事前の情報があったけど、実はそんな全然そんなことなかった!”といったことです。

例えば「一つの事を始めるといつまでも終えられない」と情報のある方がいらっしゃいます。

一見、次の行動に中々移れず、日常生活で困ってしまう事も多い方であるようにうかがえます。

ところが、行うことの始まりと終わりをわかりやすく設定して取り組んでいただくと…

その区切りのとおりにテキパキと次の行動に移れるようになりました。

元々手先の器用な方でもあり、取り組む作業の速度は早く、精度も高く、かつ次々とスケジュールどおりにタスクをこなす。

体験前にうかがった情報とはまるで違うスーパーマンが目の前に現れました。

この方は「いつまでも終えられない、終えるつもりがない」のではなく「終えるタイミングがわからない」だけだったのです。

区切りさえわかれば、それに沿って正確に行動を切り替えタスクをこなせる能力の持ち主でした。

このように、その方にはとても強みとなる能力があるけれど、これまでの環境ではそれを強みとして活かせず、むしろ問題として捉えられてしまっていた。

体験を通してその方を知っていくうえで、こういう工夫をしてみたらこんなにできる事がわかった!こういった事がとても多くあります。

このように、私たち支援員は体験の中でその方の真の強み、本質を見つけ引き出す事に全力を注ぎます。

 

体験者様が正式に笑スリーへ通い始めたら、いかにその方らしく過ごせるか、それを想像しながら5日間という体験の期間をご一緒します。

④最後に

いかがでしたでしょうか。

今回は笑スリーでの体験についてのお話をさせていただきました。

今後も順次体験希望の方の受け入れを行ってまいります。

現在、新たな日中の生活の場を探している方は笑スリーまでご連絡ください!

また、新しいGH(グループホーム)も来春頃に開所予定です。生活介護と併せてご検討の方もお問合せくださいね。

皆さまとお会いできるのを楽しみにしております!